身寄りもなく、日本の生まれでもない雪華は、みんなの迫害から、子供のころからて流れ者となっていた。そんな雪華を、ある男が拾う。雪華に優しさと、抜刀術を与えたその男は、彼女にとって師であり、父でもある、最も大切な人となり、十数年の時が流れた。
そして、その生活はある時突然に終わる。男が御剣平四郎なる剣術者と立ち会い、その傷が元で帰らぬ人となった。
その墓前で、自分自身の師匠に対する愛に気付いた雪華は、御剣への復讐を誓う。
「ナイトメア」なる剣豪を追っていけば、御剣本人へと行き着くらしい。
師の遺した着物に、刀を仕込んだ番傘。雪華は、まるで艶やかな喪服に身を包んだ美しき羅刹のようだった。
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