「私はしばらく戻らぬが、いい子にしているんだよ。」
ラファエルはエイミーにそう言って旅に出た。 光と音は、今にもこの世界に入り込もうとしていた。無遠慮に。乱暴に。彼の世界が蝕まれようとしている……。 彼女は椅子から腰を上げると部屋の出口へと向かった。扉の前で歩みを止めた。 誰もいない広大なホールを振り返る。その端正な顔をわずかに曇らせたかに見えたが、すぐに向き直ると、扉を開けた。 あの時の言葉を、もう一度、噛みしめた。今度は、口元をわずかに歪め、微笑んだ。
しかし、静寂は破られた。ラファエルの作った、この世界を守らなくては。
|